
私たちは映画を観たり、小説を読んだりしているうちに、自分が登場人物と一体となって実際に体験しているような感覚を覚えることがあります。そのような感覚が、一種の催眠状態です。恋愛やスポーツに熱中しているときもそうです。また、とても深くリラックスしているときも同じ状態になります。実は、催眠状態は、だれもが当たり前に味わっている状態なのです。
たとえば、顕在意識では、虚構の世界とわかっているのに、本当に味わっているかのような恐怖の感覚を抱いたりするのは、潜在意識が現実か空想かおかまいなく、すべてを受け入れて反応してしまうからなのです。
催眠状態とは、論理や理性を司る顕在意識と、感情や想像、記憶を司る潜在意識の二つの意識がつながった状態なのです。
およそ私たちは生まれてから大人になるまでの過程で、顕在意識と潜在意識の二つの意識の間に<膜(クリティカルファクター)>がつくられます。この膜によって、外的な刺激が簡単に潜在意識のなかに入り込まないように、また、潜在意識の中にあるつらい感情のようなものが簡単に外に出てこないように、自分を守る仕組みができあがります。
ところが、この二つの意識は8、9歳頃まではつながっていて、子どもは膜のない無防備な状態で生きているのです。大人の価値観ではなんでもないことでも、子どもを深く傷つけるといったことが起こるのはそのためです。
大人になって、何かのきっかけによって、わけもなく心が苦しくなったり、自分をコントロールできない不安にかきたてられたりすることもあります。心のなかに、ずっと理由のわからない違和感を持っている場合もあります。
ヒプノセラピーでは、セラピストがクライアントを催眠誘導して、潜在意識につながることによって、クライアント自身が心に抱えていた不安や重荷の元となった記憶をたどります。クライアントは、原因に気づくにことによって不安が一掃され、肯定的な気分に満たされるように感じられます。また、人生における真の目標に気づいて、充実感と希望にあふれた自分を取り戻すことが可能です。
実は、すべての催眠は、自己催眠であり、自分で自分を癒すことにつながるのです。
✾ヒプノセラピーによって期待される主な効果について✾
◇ 心の負担となるストレスの緩和
家庭や職場、あらゆる日常生活で生じるストレスが心の負担となることがあります。セラピーによって、ストレスを軽減し、自己治癒力を高めることができます。
◇ 変えたい生活習慣の改善
禁煙したいと思っても挫折してしまったり、ストレス解消のために過食になったりして、後から後悔することがあります。セラピーによって、禁煙や健康的な食習慣の意識を潜在意識に植え込みます。
◇ ネガティブ思考の軽減
思い癖で、ものごとを否定的にとらえ、他人の意識を気にしすぎて、気分がふさぎがちになる自分を変えたいと願う人がいます。セラピーによって、ポジティブな気持ちでリラックスして生きる、新しい自分をつくるきっかけが生まれます。
◇ 不安や恐れの解消
特に理由が思い当たらないのに、ある状態になると無性に不安を感じ、特定の対象に必要以上に恐怖感を抱く場合があります。セラピーによって、不安や恐怖を感じるようになった原因を知ることで、それらの感情が一掃され、心にやすらぎが生まれます。
◇ 自信の強化・自己コントロール
セラピーによって、自分への自信と信頼を高め、冷静に自分をコントロールすることができます。
◇ 内なる自分の探求
セラピーによって、気づいていなかった本当の目標や自信の隠れた才能に気づくことができます。
◇ 潜在能力の活性化による自己実現
セラピーによって、自分の目標を潜在意識に植え込んで、自己実現に向けて積極的に歩む後押しをすることができます。
| 主なヒプノセラピー(催眠療法)の概要 ▼暗示療法 ストレス緩和、自我強化、ウェイトマネジメント、禁煙、恐怖症の緩和などの方向づけを潜在意識に植え込みます ▼前世療法 心の奥に持っていた違和感や不安などの原因を過去世までたどっていきます ▼年齢退行療法 封印されていた幼少の頃の自分(インナーチャイルド)を癒すことによって心の再生を図ります ▼悲嘆療法(グリーフ・セラピー) 大切な方の死によって悲嘆にくれている方や、ペットロスで悩まれている方の癒しのお手伝いをします ▼GIFT(Goal Image Focusing Technique) 真に自分が求める目標を発見して、自己実現した姿をイメージに焼き付けることによって、ゆるぎない積極的な生き方に目覚める機会となるでしょう ▼ソマティック・ヒーリング からだの状態が発しているメッセージを受け取り、自らのからだと対話することによって癒される自分を発見するでしょう |

